Tasslehoff’s knife clattered to the floor. The kender sagged back against the railing. For the first, last, and only time in his life, Tasslehoff Burrfoot was struck speechless.
戦記3巻p418
タッスルホッフのナイフが、からんと床に落ちた。かれは、くたりと手すりによりかかった。生まれて以来、最初にして最後、ただ一度だけ、タッスルホッフ・バーフットは言うべき言葉を失った。
“Ah, poor boy. Afflicted, eh? Speech impediment. Sad, sad. Here--“
「そうか、かわいそうに。病気なんじゃな?言語障害か。気の毒なことだ、うむ。そうじゃ――」
“Fizban!”
“Where?” The old man whirled around. Raising his staff, he peered fearfully into the darkness. Then something seemed to occur to him. Turning back around, he asked Tas in a loud whisper, “I say, are you sure you saw this Fizban? Isn’t he dead?”
「フィズバン!」
「どこに?」老人はくるりとふり返った。杖を差し上げて、こわごわ暗がりをうかがう。しかし、何かを思い出したらしく、かれは向き直って、タッスルに大きな声でささやいた。「おい、本当にそのフィズバンを見たのか?やつは死んだのじゃなかったのか?」
“I--I’m not sure, b-but I think you’re Fizban.”
「か、確信はないけど、あ、あんたがフィズバンだと思うよ」
His shoulders sagged. “So I’m dead. Done for. Bought the farm. Kicked the bucket.” He staggered to a bench and plopped down. “Was it a nice funeral?” he asked. “Did lots of people come? Was the twenty-one gun salute?”
かれの肩ががっくり落ちた。「では、わしは死んだのか。やられたな。墓場行きか。おだぶつだな」かれはとぼとぼとベンチへ行って、ぐったり座りこんだ。「よい葬式だったか?人はたくさん来たか?二十一発の礼砲はあったか?」
“I never in my life splattered!”
Tas’s eyes filled with tears as he remembered his heartbroken search for the old man’s body.
“So you left me buried under a mound of chicken feathers?”
“But, come to think of it, I haven’t been able to eat a chicken since.”
「わしは生まれてこのかた、ぐちゃりとつぶれた覚えなどないわ!」
タッスルは、傷心の中で老人の遺体を探しまわったことを思い出して、涙をいっぱいに浮かべた。
「それでわしを、鶏の羽毛の山の下に埋めたまま置き去りにしたというわけか?」
「しかし、言われてみれば、わしはあれ以来、鶏肉が食えんようになっておる」
***
三回前で「意地悪」言ってごめんなさい、フィズバン。素敵なボケっぷりに磨きがかかって再登場。
いつ語ろうか迷ってたんですが、ここでやっちゃいます。不敵にも
「『ドラゴンランス』の残念な点について」
ただ一点だけです。
悪の女神、<暗黒の女王>タキシスというキャラクタ―に、魅力がなさすぎるんですよ。狡猾ではあっても愚かな、権力欲の亡者にしか見えない。薄いんですよラスボスにしては!
対する光の神はこれだけ味のあるキャラなのに。同じダークサイドでも、レイストリンを筆頭に、キティアラ、ダラマール、ソス卿、スティール、メダン元帥と魅力的な人物はいくらでもいるのに。
「ロマンシングサガ(リメイク版)ミンストレルソング」の大詰めで、グレイが邪神サルーインに言っていた、こんな台詞が思い出されます。
「神にしてはずいぶんと程度の低い恨み言を言うものだな。
邪神というからにはもっと邪悪な哲学で
俺を魅了してもらいたいものだ」
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