2014年11月24日月曜日

戦記3巻p272〜 "If he were here--"

DRAGONS OF WINTER NIGHT p148

“But did he really exist?”
“Oh, yes. Of what there can be no doubt.”

“All we have are children’s stories, as Raistlin would say.” Sturm put his hand to his face, covering his eyes, and gave a deep, shuddering sigh.

戦記3巻p272

「でも、ヒューマは実在の人なのでしょう?」
「もちろんです。それに関しては疑問はありません」

「あるのは、子供のお伽噺ばかり――レイストリンなら、きっとそう言うでしょう」スタームは手で眼を覆い、深く、わななくようなため息をついた。

“Do you know,” he said softly, “I never thought I’d say it, but I miss Raistlin. I miss all of them. I feel as if part of me’s been cut off, and that’s how I felt in Solamnia. That’s why I came back, instead of waiting and completing the tests for my knighthood. These people--my friends--were doing more to combat evil in the world than all the Knights lined up in a row.”

「不思議に思われるかもしれませんが」と、かれは低く言った。「自分でも信じられないことに、わたしはレイストリンがいなくて淋しいのです。みんなが恋しいのです。まるで自分の一部が切り取られたようです。ソラムニアにいたときもそう感じました。それでわたしは、騎士の叙爵審問が終わるのも待たずに、帰ってきてしまったわけです。わたしの友人たちのほうが、世の悪と戦うことにかけては、全騎士団が勢ぞろいしたよりも大きな働きをしていました」

“Even Raistlin, in some way I can’t understand. He could tell us what all this means.” He jerked his thumb back at the iceencased knight. “At least he would believe in it. If he were here. If Tanis were here--“
“Yes,” Laurana said quietly. “If Tanis were here--“

「わたしには理解できない方法であれ、レイストリンですらそうです。かれなら、これがすべてどういう意味かを説明してくれるでしょうに」かれは親指で、氷漬けの騎士を示した。「少なくとも、かれなら真剣に考えるでしょう。かれがここにいれば。それにもしタニスがここにいれば――」
「そうね。タニスがここにいてくれたら――」

***

“If he were here--“
 仮定法過去って表現、好きです。実現しなかった現在とは、もう戻らない過去のようなものなのでしょうか。

 ところでスターム、「レイストリン」って三回言いました。そんなに淋しいですか。でも仮にもし会えたら悪態つくんでしょうね。素直じゃないったら。

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