They did not touch--not with the golden eyes of Caramon’s twin’s on them--but they leaned very near each other.
戦記3巻p87
体は触れてはいなかった――キャラモンの双子の弟が金色の目を注いでいる――ものの、二人はぎりぎりまで身を寄せ合っていた。
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英文法詳しくないもので、???なんですが、"not with the golden eyes of Caramon’s twin’s on them"これって、レイストが二人を見つめていた、ってことなんですか?私には見ていなかった、という風に見えるんですが。後にレイストは呪文書を読んでいたって記述が出てきますし。まあ、見てなくたってこの場でべたべたはできないと思いますけどね。2巻ドラコニアン戦で学習したはずですから、さすがのキャラモンも。
“I--I meant, can you see the future? Tanis told me your mother was--what do they call it--prescient? I know Tanis comes to you for advice…”
“He said she had the gift for foresight. She could look into the future and see images of what would come to pass.”
“That is true,” Raistlin whispered, then smiled sardonically. “Much good it did her.”
「あの、わたしがお聞きしたかったのは――あなたは未来がご覧になれるの?タニスが言っていたけれど、お母さまは――なんて言ったかしら――予知者でいらしたとか?タニスはよくあなたに助言を頼みにくるようだし……」
「予見の才能を持ってらしたって聞きました。未来を覗いて、何が起こりそうなのかそのしるしを見ることができたとか」
「それは本当です」レイストリンはささやいて、皮肉っぽく微笑した。「ありがたい才能でしたよ」
“She then remarried the man who became our father. He was a simple man, a woodcutter by a trade. Once again, her farsight did not serve her.”
「やがて再婚したのが、ぼくたちの父親です。実父は単純素朴な人間で、樵を生業にしていました。しかし、母の予知力はまたもや効きませんでしたね」
“Why?” Laurana asked gently, caught up in the story, amazed that he was usually taciturn mage was so voluble, not knowing that he was drawing more out of her simply by watching her expressive face than he was giving in return.
「それはなぜ?」ローラナはそっと訊ねた。日頃は無口な魔法使いがすらすらと語ってくれることに夢中で気づいていなかったが、かれのほうでは与える以上の情報を、表情豊かな彼女の顔を観察するだけで読み取っているのだった。
“The birth of my brother and I for one thing,”
“The midwife gave me up for dead, and I would have died, too, if it hadn’t been Kitiara. Her first battle, she used to say, was against death with me as the prize.”
「一つには、ぼくたち兄弟を産んだことですね」
「ぼくは産婆からも、死んだものと見放されました。実際、もしキティアラがいなければ、ぼくは死んでいたでしょう。キティアラはよく言っていました。彼女の初陣は死神からぼくを奪い返したことだ、と」
“He died in an accident when Caramon and I were in our teen. My mother went into one of her trances that day”--Raistlin’s voice dropped--“and never came out. She died of starvation.”
「父はキャラモンとぼくが十代の頃に事故で死にました。母はその日にまた夢幻状態に入り――」レイストリンは声を落とした。「――そのまま覚醒しませんでした。母は餓死したのです」
Raistlin did not speak for long moments, his strange eyes staring out into the chill, gray winter sky. Then his mouth twisted. “It taught me a valuable lesson--learn to control the power. Never let it control you!”
レイストリンは無言で、冷え冷えとした灰色の冬空を長いあいだ見つめていた。やがて、かれの口が歪んだ。「貴重な教訓でしたよ――力を支配するようにならなければ。決して支配されてはいけないんだ!」
***
キティアラの父親の説明にもありましたが、キティアラとキャラモンはそれぞれの父親似で、レイストリンはお母さんの資質を受け継いだのでしょうね。顔もお母さんに似ていたのでしょうか?
“He has the qualities we are told are essential for leadership. He is quick-thinking, intelligent, creative. But most of us possess these--in greater or lessor degree. Why do the others follow Tanis?”
「タニスには指導者に不可欠とされている資質がありますからね。決断力、知性、想像力。でも、それらはぼくたちも大抵持ちあわせています――大なり小なり。なぜみんなはタニスについていくのか?」
“Tanis listens to his feelings. He does not suppress them, as does the knight, or hide them, as does the Plainsman. Tanis realizes that sometimes a leader must think his heart and not his head.”
「タニスは自分の感情を大切にするのです。騎士のように感情を抑えつけたり、平原人のように隠したりしません。指導者たる者、時には頭でなく心で考えねばならない場合もあることを、タニスは知っているのです」
“I notice you leave out yourself.”
「ご自分のことはどうなのかしら」
“I do not follow him.”
“For the time being, Tanis and I simply happen to be traveling in the same direction.”
「ぼくはタニスについて行っているのではありませんよ」
「当面のところ、タニスとぼくがたまたま同じ方角に旅をしているだけです」
ローラナを誘導しつつもちらほら垣間見えるレイストリンの本音がたまりません。
返信削除伝説4巻で、彼の手は母親のそれとそっくりだと書いてあったので、おそらく母親似だろうと考えています。キャラモンは、魂の鍛錬にはっきりと父親そっくりという記述がありました。
おお、ご指摘ありがとうございます。お母さんの手、レイストの手、そしてパリンの手へと受け継がれていくわけですね。
返信削除なんだかんだ言ってレイストはローラナにも親切ですね。今日の分書いてて特にそう思いました。