2014年10月21日火曜日

戦記1巻p400〜 族長の娘

DRAGONS OF AUTUMN TWILIGHT  p230

“We must talk,”
“Is that command?”
“Yes,”

“Forgive me,” she said softly.

戦記1巻p400

「お話があります」
「それは命令ですか?」
「そうです」

「許してください」

“I have been Chieftain’s Daughter so long it is the only thing I know how to be. It is my strength. It gives me courage when I am frightened. I don’t think I can let go.”
“I don’t want you to let go.”

「わたくしはあまりにも長いあいだ族長の娘だったものですから、そのようなふるまい方しか知らないのです。それがわたくしの力なのです。おびえたときでも勇気が出せるのです。やめることはできないのではないかしら」
「やめなくても構いませんよ」

“You refused to bow to receive my blessing…You said man could not make gods of other men.”

“How tall and proud and handsome you were, talking of ancient gods that did not exist to me then.”

「あなたはわたくしの祝福に頭を下げるのを拒んだのだわ・・・人が人を神にすることなどできない、と言って」
「わたくしの知らなかったいにしえの神々のことを語るあなたが、なんて立派で、誇らしげで、男らしかったことかしら」

“And how furious you were,” he called, “and how beautiful! “

“You thought I was angry because you had shamed me before the people, but that was not so.”
“No?”

「そして、あなたがなんとお怒りになったことか」
「またそれがなんと美しかったことか!」

「みんなの前で恥をかかされて腹を立てた、とあなたは思ったのでしょうけれど、それは違うのです」
「え?」

“I was angry because I knew when I saw you standing there, refusing to kneel before me, that I had lost part of myself and that, until you claimed it, I would never be whole again.”

「わたくしが腹立たしかったのは、あのとき、わたくしの前にひざまずくのを拒否して立ちつくしているあなたを見たとき、わたくしは自分の一部を失ってしまって、あなたにそれを受け止めてもらえないかぎり、二度と完全な姿にはなれないことがわかったからです」

***

 これも初読時にはその味わいがわからず、再読してじわりと来ている会話です。長生きはするものですね。ランスの男性陣の中で、結婚するなら断然リヴァーウィンドが一番だと思います。他はみんなああだったりこうだったりしますからねー。

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