2014年10月13日月曜日

戦記1巻p180〜<闇の森>へ

DRAGONS OF AUTUMN TWILIGHT  p101

“How certain are you that this forest is Darken Wood, Raistlin?”
“How certain is one of anything, Half-Elven?” the mage replied. “I am not certain of drawing my next breath. But go ahead. Walk into the wood that no living man has ever walked out of. Death is life’s one great certainly, Tanis.”

戦記1巻 p180

「レイストリン、あれが<闇の森>だというのはどのくらい確実なんだ?」
「タニス、森羅万象はどのくらい確実でしょうね?」魔法使いが答える。「ぼくには次の呼吸も確実ではありませんよ。でも、先へ進みましょう。生あるものが出られたことのない森へ入りましょう。死は生命にとって大きな確実性を持つものですからね」

Tanis regarded the mage with a slight smile. “Why do you come?” he couldn’t help asking.
“Because you will need me, Half-Elven,” the mage hissed. “Besides, where would you have us go? You have allowed us to be led this far, there can be no turning back. It is the Ogre’s Choice you offer us, Tanis--‘Die fast or die slow.’ ” He set off down the side of the Peak. “Coming, brother?”

 タニスは魔法使いがかすかに笑っているのに気がついた。「君はなぜくる?」かれは聞かずにはいられなかった。
「ぼくが必要になるからですよ、ハーフ・エルフ。それに、どこに行けと言うんです、こんなに遠くまで連れて来てもらって――もうあと戻りはできませんよ。あなたの提案は<食人鬼の選択>です、タニス――『今死ぬか、後で死ぬか』という」かれは峰の腹をおりはじめた。「こないの、兄さん?」

***

“Because you will need me”――さらりとこんなこと言ってのけてみたいものですね。


The half-elf felt like a fool. Raistlin was right, of course. He’d let this go far beyond his control, then made it seem as if it were their decision, not his, allowing him to go forward with a clear conscience.

 この<ハーフ・エルフ>は自己嫌悪を感じていた。レイストリンがもちろん正しいのだ。タニスは勝手放題に事態をここまで進めておきながら、それはみんなの決定でかれの決定ではないかのように思わせて、良心の呵責なしに前進しようとした。

Why was it his responsibility in the first place? Why had he gotten involved, when all he had wanted was to find Kitiara and tell her his mind was made up--he loved her and wanted her.

 そもそもなぜかれの責任なのだ?なぜかれが巻きこまれているのだ?かれの望みはただキティアラを見つけて決心したよと伝えることだけだったのに――彼女を愛しており、彼女が欲しい、と。

***

 苦労人タニス。
「キッチンから出なければ」から、考える間もなく始まったこの冒険、自己責任も勝手もないと思うんですけどね。決定したのはタニスでも、それに着いて行くと決めたのは一人一人なんですから。


“Someday I’ll slow you up, Tanis. I don’t ever want you to think, why do I put up with this grumbling old dwarf?”

“Because I need you, grumbling old dwarf,”

“I need you, Flint. They’re all so…so young. You’re like a solid rock that I can set my back against as I wield my sword.”

「タニス、いつかわしはおまえさんのお荷物になる。しかし、絶対にそう思われたくないんじゃ、こんな愚痴り屋の老いぼれドワーフに我慢しているのはなぜなんだ、とあんたにはな」
「なぜって、その愚痴り屋の老いぼれドワーフが必要だからさ」
「おれにはあんたが必要だ。あのみんなは……みんなは若すぎる。あんたは、剣をふるうときに背後を守ってくれる頑丈な岩のようなんだ」

***

“Because I need you”――人が自分を支え励ますのに最も有効なのは、他人を支え励ますこと。覚えていますか?私が皆に「胃液吐く前に弱音を吐こう」と言った時、あれは誰よりも自分自身に向けた言葉でした。既に胃液吐いちゃってましたけどね。

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