2014年10月11日土曜日

戦記1巻p113〜 冒険

DRAGONS OF AUTUMN TWILIGHT  p60
Tas flashed his own smile back at the half-elf. It was good to see the old Tanis back. He had thought his friend unusually moody and indecisive, not the strong leader he had remembered from earlier days.

戦記1巻 p113
 タッスルは、<ハーフ・エルフ>ににっこり笑い返した。昔のタニスが戻ってきたのを見るのは嬉しかった。<ケンダー>は、友人がいつになく不安定で迷いがちで、かつてのような強力なリーダーでないことを感じていた。

Yet, now that they were on the road, thr glint was back in the half-elf’s eyes. He had come out of his brooding shell and was taking change, slipping back into his accustomed role.

 しかし、旅に出た今、<ハーフ・エルフ>の目にきらめきが戻っている。かれは閉じこもっていた貝がらから出て、元の慣れ親しんだ役目にすっぽりはまって指揮をとっている。

He needed this adventure to get his mind off his problems--whatever those might be. The kender, who had never been able to understand Tanis’s inner turmoil, was glad this adventure had come along.

 悩みを――それがなんであろうと――免れるには、こんな冒険が必要なのだ。<ケンダー>には、タニスの内面の嵐は理解できなかったが、この冒険が起こったことを喜んでいた。

***

 一人で悩んでるように見えて、みんなに気を遣われてるタニス。そしてタッスルは最初からこんな賢い子だったのですね。後に賢者と言われるのもむべなるかな。

Riverwind’s stoic expression did not change. He regarded the knight with intense, dark eyes. Then he spoke, choosing his word carefully.

 リヴァーウィンドの禁欲的な表情は変わらなかった、黒い瞳でじっと騎士を見つめる。そして、注意深く言葉を選びながら言った。

“I did not mean to question your honor. I do not know men and their cities, and I tell you plainly--I am afraid. It is my fear that makes me speak thus. I have been afraid ever since the blue crystal staff was given to me. Most of all, I am afraid for Goldmoon.”

「名誉を疑うつもりではなかった。おれはよその人々やその町のことは知らない。だから、率直に言うと――恐れている。その恐れからああ言ったのだ。青水晶の杖が授けられて以来、ずっとおれは恐れている。とりわけ、ゴールドムーンのために恐れている」

“Without her, I die. How could I trust--“ His voice failed. The stoic mask cracked and crumbled from pain and weariness.

「彼女なしでは、おれは死ぬ。どうして信じられるんだ――」禁欲的な仮面が苦悩と疲労でひび割れ、砕け落ちた。

***

 やっとリヴァーウィンドの本音が出てきました。長い旅路の果てに、青水晶の杖を村へ持ち帰ったと思ったらあの仕打ち、そしてこの冒険。さらに翌々日に目にするもののことを思うと…
"plainly"「率直に」ですが、「平原人流に」なんて引っ掛けてあるのかも。


He was drinking some herval concoction of his own making. Tanis could see small, feathery green leaves floating in steaming water. It gave off a bitter, acrid odor and Raistlin grimaced as he swallowed it.

 かれは自分で作った薬草の煎じ薬を少量飲んでいた。羽毛のようなこまかい緑の葉が、湯気を立てた湯に浮いている。いかにも苦そうな匂いが漂い、レイストリンも飲みくだすときに顔をしかめている。

***

 さるところで拝見したのですが、レイストの煎じ薬とは

レモンの皮を干したもの
モウズイカ
アンゼリカ
オレンジの皮を干したもの
ゴボウ
フキタンポポ

 を配合したものだそうです。調べてみたらモウズイカとは喘息に効く薬草で、葉には細かい毛が生えているそうですので、主成分はこれでしょう。でも、このお茶を煎じたら、苦そうではなくレモンやオレンジのいい香りがしそうな気もしますね。

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