2015年1月2日金曜日

戦記5巻p89〜 二つの言葉

DRAGONS OF SPRING DAWNING p46

Tanis stared at them both, sick with horror. He couldn’t believe this! Not even of Raistlin! “Caramon, go ahead!”

戦記5巻 p89

 タニスは二人を見つめながら、恐怖で胸が悪くなった。こんな話は、とても信じられない!いくらレイストリンの話でも。「キャラモン、早くかかれ!」

“Don’t make him come near me, Tanis,” Raistlin said, his voice gentle, as if he read the half-elf’s thoughts. “I assure you, I am capable of this. What I have sought all my life is within my grasp. I will let nothing stop me.”

「かれをけしかけちゃいけない、タニス」レイストリンの声は、まるでタニスの考えをすっかり読んでいるように、優しい。「はっきり言っておこう――ぼくにはできるのだ。ぼくが生涯をかけて求めてきたものが、今や目前にあるのだから。何ものにも邪魔などさせない」

“Look at Caramon’s face, Tanis. He knows! I killed him once. I can do it again. Farewell, my brother.”

「キャラモンの顔を見てごらん、タニス。かれにもわかっているんだ!ぼくは一度かれを殺している。もう一度だってできるんだ。さようなら、兄さん」

***

"once"だから"again"できる。"gentle"なはずの声から血が滴っているように感じます。


Tika crouched beside Caramon, her fear of death lost in her concern for him. But Caramon wasn’t even aware of her presence. He stared out into the darkness, tears coursing down his face, his hands clenched into fists, repeating two words over and over in a silent litany.

 ティカはキャラモンのかたわらにうずくまり、かれへの心配で、自分の死の恐怖を忘れていた。しかし、キャラモンは彼女がいることに気づいてもいなかった。かれは闇の中を見つめたまま、とめどなく涙を流し、両手を握りしめ、二つの言葉を何度も何度も、お題目のように、無言で繰り返していた。

After all was gone, two words lingered like a benediction.

“My brother…”

 すべてが消え失せたあと、二つの言葉が、祝福の祈りのように、小さく漂い残っていた。

「さようなら、兄さん……」

***

 キャラモンが繰り返していた「二つの言葉」が何なのか、ずっとわからずにいました。
「さようなら、兄さん……」のどこが祝福の祈りのようなのかも不可解でした。

“My brother…”

 これだったんですね。
 レイストリンが放った最後の言葉。キャラモンが繰り返していた言葉。そうと明記されてはいませんが、原文を読んでそのように感じました。

 日本語訳は流れから言ったら「さようなら、兄さん……」なのかも知れませんが、これだとレイストの言葉にしかなりませんよね。キャラモンの言葉にも聞こえるような訳し方って………うう、無理だ。

 みんな文系英語究めて原文読もうじゃないか!いや無理ですか。という訳で今年も張り切って更新していきます!
 最低でも「伝説」コンプ!
 可能ならセカンド、サマフレ、ソウルズ完結まで!
 さすがに外伝は無理ですが。

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