2014年12月15日月曜日

戦記4巻p172〜 実験

DRAGONS OF WINTER NIGHT p334

“I--I really must go,” Tanis said, sweating beneath his armor. “My c-company commander will be missing me…”
“But I’m commander of your company!” Kit said gaily. “And tomorrow you‘ll be commander of your company. Or higher, if you like. Now, sit down.”

戦記4巻p172

「おれは――おれは行かなくちゃならないんだ」タニスは鎧の下で汗をかいていた。「うちの隊の指揮官がおれを探しているだろうから……」
「ばかね、あなたの隊の指揮官はわたしじゃないの!」キティアラは愉快そうに言った。「明日にはあなたも指揮官にしてあげるわ。もっと上位でもいいわよ、お望みなら。さあ、すわったらどう?」

Tanis could do nothing but obey, knowing, however, that in his heart he wanted to do nothing but obey.
“It’s so good to see you,” Kit said, kneeling before him and tugging at his foot.

 タニスは従う以外なかった。しかし心の中では、従うことを望んでいる己れ自身を自覚していた。
「あなたに会えてよかったわ」キットはかれの前に膝をつくと、かれのブーツを引っぱった。

***

“he wanted to do nothing but obey.”直訳すると「従うこと以外何もしたくなかった」


Kitiara talked on, but Tanis ceased to listen. He could only look at her. He had forgotten how lovely she was, how sensual, inviting. Desperately he concentrated on his own danger. But all he could think of were nights of bliss spent with Kitiara.

 キティアラはしゃべりつづけたが、タニスはもう聞いていなかった。かれはただ彼女に見とれていた。彼女がいかに愛らしく、いかに官能的で魅惑的かを、タニスは今まで忘れていたのだ。かれはなんとかわが身の危険に意識を集中しようとした。しかし、脳裏に浮かぶのは、ひたすらキティアラと過ごした至福の夜のことばかりである。

At that moment, Kit looked up into his eyes. Caught and held by the passion she saw in them, she let his boot slip from her hands. Involuntarily, Tanis reached out and drew her near. Kitiara slid her hand around his neck and pressed her lips against him.

 その瞬間、キットがまっすぐにかれの目を見上げた。彼女はタニスの情熱に燃える目に射止められて、脱がせたブーツを手から落ちるにまかせた。思わず知らず、タニスが彼女を引き寄せる。キティアラはかれのうなじに手をまわし、かれの唇に唇を押しつけた。

***

 いいところで流れぶった切って申し訳ないですが、ここはキティアラから強引にタニスに迫っているわけではないということを、心に留めておきましょう。あとですね、”slid her hand around his neck”と、handが単数形だってことは、もう片手は何してるんでしょうね〜とかいろいろ妄想想像の余地があります、この辺。

…というわけで、旦那に協力をお願いして実験してみましたー!
こう椅子にかけさせて、膝をついてブーツを脱がして。
そのとき顔を上げて、目が合って、手からブーツを取り落とす。
そこで引き寄せられて、片手をうなじに持っていって…ふむ。

 結論。もう片手の落ち着くべき場所は「タニスの腿の上」です、たぶん。反論ある方はお願いします。


At her touch, the desires and longings that had tormented Tanis for five years surged through his body. Her fragrance, warm and womanly--mingled with the smell of leather and steel. Her kiss was like flame. The pain was unbearable. Tanis knew only one way to end it.

 彼女の唇を感じた瞬間、タニスの全身に、この五年間かれを悩ませつづけてきた熱い思いが逆巻いた。彼女の匂い――温かく、あでやかな――が、皮と鋼鉄の匂いとまじりあっている。彼女の口づけは炎のようだった。もはや苦痛は堪えがたかった。それを鎮めるには、タニスにはただひとつしかなかった。

***

 宿屋の亭主さん「これで、この三日間で三人めの男である」”this was the third man in as many days” そうかそういう表現になりますか。報告ご苦労様です。
 次回もこの話続きますよー。飛ばせないシーンだらけの「尖塔の青竜の書」、年内に終わるかな…

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